国際連合(UN)の公式エンブレムや国連旗に正距方位図法が採用されている理由には、深い地政学的メッセージが込められています。旗のデザインは北極点を中心とした正距方位図法で描かれており、地球上の主要な陸地が北極を取り囲むように均等に配置されています。特定の大陸や大国を中心や上部に置くことなく、加盟国を公平に包容するシンボルとして選ばれました。
実務面において絶大な力を発揮するのが航空分野です。地球上の2点間を結ぶ最短ルートを「大圏航路」と呼びますが、正距方位図法では「図の中心から伸びる直線=最短の大圏航路」となります。長距離フライトのルート選定やミサイルの射程範囲の把握、さらには電波の送信方位測定など、現代の航空・通信ネットワークにおいて中心からの最短距離を直感的に把握できるツールとして活用され続けています。