かつて昭和から平成初期にかけて主流だった「三段飾り」「畳1畳分を占有する大型の鎧飾り」は、現代の住宅事情において姿を消しつつあります。2026年の五月人形市場を席巻しているのは、「省スペース」「インテリア調和」「簡単な出し入れ」の3拍子が揃ったコンパクト兜飾りです。
特に注目を集めている最新トレンドの要素は以下の3点です。
- 白木・無垢材を使用したナチュラルテイスト:タモ材やウォールナット、ヒノキなどを用いた木製兜飾りは、北欧風のリビングやモダンスタイルのフローリングに違和感なく溶け込みます。
- ニュアンスカラー(くすみ色・淡色)の威糸(おどしいと):伝統的な赤や黒だけでなく、グレージュ、オリーブ、アイボリー、淡いゴールドなど、主張しすぎない洗練された色彩が若い親世代から絶大な支持を集めています。
- アクリルケース飾り・飾り台一体型収納飾り:埃がつかず手入れが簡単なアクリルケース入りや、オフシーズンには兜本体を飾り台の中にすべて収納できる省スペース設計が主流となっています。
ブランド選びにおいては、創業300年を超える業界の双璧である「吉徳大光」と「人形の久月」が依然として高い信頼と評判を維持しています。「顔が命」のフレーズで知られる吉徳大光は、伝統的な重厚感を残しながらもモダンな住空間にマッチする洗練されたデザイン力に定評があります。一方の久月は、甲冑師の手仕事を活かした堅牢な造りと幅広い価格帯のラインナップで、祖父母世代からの安心感が抜群です。
近年では老舗の確かな技術に、現代的なプロダクトデザイナーの感性を融合させたコラボレーションモデルが各社から多数登場しており、単なる儀礼品を超えて「家族の愛着が湧く上質なインテリアアート」としての価値が高まっています。