朝のラッシュ時(午前7時30分〜9時00分)および夕方の帰宅・出張ラッシュ(午後17時30分〜19時30分)、品川駅の新幹線改札内は独特の緊張感に包まれる。出張に向かうスーツ姿のビジネスパーソンたちが、発車案内板の時刻を気にしながら南待合室の喫煙所前に列を作る。待合室の自動ドアが開くたび、中から吐き出される微かな煙と、時計を睨みつける利用者の焦燥感が現場の空気を重くしている。
現場で取材に応じた40代のIT企業役員は、苦笑交じりにこう吐露した。
「以前は東京駅や品川駅のホームで発車1分前まで吸えた。今は改札内の喫煙室に並ばなければならず、前の人が何分で出てくるかわからない恐怖がある。新大阪まで2時間以上吸えないプレッシャーから、どうしても乗車前に吸っておきたいが、待合室の喫煙所は狭すぎて息が詰まる。最近は品川駅に着く前に、港南口の喫煙カフェで余裕を持って済ませてから改札を通るようにしている」
こうしたヘビーユーザーの防衛策として支持を広げているのが、品川駅喫煙カフェ現在の営業店舗を活用する手法だ。港南口側のアトレ品川周辺や駅前ビルには、飲食エリアと明確に分離された加熱式・紙巻き両対応の喫煙ブースを設置した喫煙目的店(ルノアール、カフェ・ド・クリエ等)が点在している。コーヒー1杯のコストはかかるものの、確実に座席を確保し、コンセントでPCを充電しながら計画的に一服を済ませられるため、精神的余裕を金で買うビジネス客のセーフティネットとして機能している。