内輪差の大きさを決定づける最も重要な要素が、前輪の中心から後輪の中心までの長さを示すホイールベース(軸距)です。物理的な法則として、ホイールベースが長くなればなるほど、旋回時に後輪が描く円弧は中心に向かって鋭角に切れ込み、内輪差は飛躍的に増大します。
現場で瞬時に使える内輪差の簡易計算式として、幾何学的な関係から導かれる次の近似式が知られています。
【内輪差の幾何学計算式(目安)】
内輪差 ≒ 旋回半径 - √(旋回半径² - ホイールベース²)
※日常的な直角右左折における現場の目安としては、「ホイールベースのおよそ3分の1」が内輪差の最大幅として現れます。
自車がどれほど内側に切れ込むのか、車種別のボディサイズ、ホイールベース、内輪差の目安を比較したデータは次の通りです。
普通乗用車であっても、ホイールベースが約2.7mあれば約0.9m後輪が内側を通ります。道路脇に立つ電柱やガードパイプと前輪との間に1mの余裕があっても、後輪付近はギリギリか接触する計算です。この物理的な落差を認知しているかどうかが、重大事故を防ぐ分水嶺となります。