ネット上のコミュニティ(Xや知恵袋など)を観測すると、「ビクッとなってベッドから落ちそうになった」「隣で寝ている夫を思い切り蹴飛ばして喧嘩になった」「入眠の瞬間に心臓がバクバクして眠るのが怖い」といった切実な投稿が連日投稿されている。
睡眠医療の最前線で診療にあたる専門医は、取材に対して次のように現場の過酷な実態を明かしている。
「2020年代半ば以降、フルリモートワークの定着やスマートフォンの常時接続社会が極限に達したことで、オンとオフの境界線が完全に崩壊している患者が激増しています。診察室を訪れる方の多くが『毎晩ジャーキングが起きて入眠恐怖症になった』と訴えますが、生活実態を問診すると、深夜1時を過ぎてもベッドの中で業務チャットやショート動画を見続け、1日3杯以上のエナジードリンクを流し込んでいるケースが圧倒的です。自律神経がアクセルを踏み込んだまま急ブレーキをかけようとしているため、体が悲鳴を上げているのです」
また、子育て世代の親たちからは「赤ちゃん寝ている時ビクッ」とする現象への相談が後を絶たない。赤ちゃんの未熟な中枢神経系は外部刺激に対して極めて敏感であり、音や光に反応して両手をパッと広げる「モロー反射」や、浅い眠り(動眼神経が活発なレム睡眠)の中で手足がピクピクと動く「良性新生児睡眠時ミオクローヌス」が頻繁に観察される。これらは脳と神経回路が順調に発達している証拠であり、機嫌よく母乳やミルクを飲み、体重が順調に増えている限り、病的な心配はほとんどないというのが小児神経科の共通見解である。