菩提寺が智山派である場合や、実家の仏壇を引き継ぐことになった際、正しい仏具の配置を理解しておくことは供養の第一歩となります。
真言宗智山派の仏壇・位牌の祀り方の基本は、中央最上段に宗派の根幹である「金剛界大日如来」を安置することです。木彫像または掛け軸で祀ります。そしてその両脇(脇侍・わきじ)の配置には、智山派ならではの厳格なルールが存在します。
- 中央:本尊「大日如来」
- 向かって右(上座):宗祖「弘法大師(空海)」
- 向かって左(下座):興教大師(覚鑁)または智山派開祖「玄宥僧正」
この三尊形式により、弘法大師からの正統な法脈と、根来山・智積院の中興の歴史を同時に家庭内でお祀りすることができます。
位牌を安置する場合は、本尊の姿が隠れてしまわないよう配慮し、一段下がった左右のスペースに置くのが通例です。古い先祖代々の位牌を向かって右側に、新しい仏様を左側へと順に祀っていきます。また、日々の給仕では「お茶・お水(初水)」「ご飯(仏飯)」「線香」「ろうそく」「生花」の五供(ごく)を基本とします。智山派の線香は、香炉の真ん中に「1本を立てて」供えるのが標準的な作法です(折って寝かせる浄土真宗などとは異なります)。