ウェブ上の解説記事やSNSの投稿では、「マリーゴールドを1株植えるだけで害虫が一切寄り付かなくなる」といった誇大表現が散見されます。しかし、現場の栽培現場を検証すると、この言説には大きな落とし穴が存在します。
誤解1:アブラムシやケムシを完全に寄せ付けない?
マリーゴールド独特の強い異臭(テルペノイド系化合物)は、コナジラミや一部の飛翔害虫を忌避させる効果が一部確認されています。しかし、アブラムシの飛来を100%防ぐバリアにはなりません。むしろ、マリーゴールドは生態系において「天敵温存植物(バンカープランツ)」として機能します。アブラムシを捕食するヒラタアブやテントウムシを花蜜や花粉で引き寄せ、結果として菜園全体の生態ピラミッドを安定させるのが本来の防除形態です。
誤解2:マリーゴールド自体は虫がつかない?
これは園芸初心者が最も直面しやすいトラブルです。梅雨明け後の猛暑期(7月下旬〜8月)、風通しが悪く乾燥した環境に置かれたマリーゴールドは、ハダニ(カンザワハダニ等)の猛烈な被害に遭います。葉色がかすり状に白く抜け、放置するとクモの巣のような糸を張って株全体が枯死します。さらに、夜行性のヨトウムシやナメクジの大好物でもあり、植え付け初期の新芽を一晩で食い尽くされる事故が多発します。「防虫植物だから手入れ不要」という過信は禁物です。