実際に症状を乗り越えた人々の回復プロセスを見ると、「ある日突然完全にやめられた」というケースは稀です。多くは「1日10本抜いていたのが3本に減った」「抜かない日が週に2日できた」という小さなステップの積み重ねから始まっています。
学生時代から10年近く抜毛に悩んでいた20代女性の例では、通院によるハビットリバーサル法の習得に加え、寝室にウィッグを置いて触覚を代替させる工夫を導入。半年かけて徐々に抜く頻度を落とし、最終的に頭皮の地肌が目立たないレベルまで回復しました。この方が強調していたのは、「一度再発(スリップ)して抜いてしまっても、『今までの努力が無駄になった』と投げ出さないこと」でした。
抜毛症の回復は一直線ではなく、波があります。再発した際は「今、自分は疲れているサインが出たのだ」と冷静に捉え、十分な睡眠を取ったり休息を増やしたりするバロメーターとして活用することが、長期的な寛解を維持する秘訣です。