可とう性が活躍するフィールドは、金属やゴムの配管継手にとどまりません。高分子化学や土木舗装材料の領域でも、革新的なブレイクスルーをもたらしています。
1. 可とう性エポキシ樹脂(コンクリート補修・先端電子材料)
一般的にエポキシ樹脂は、非常に高い接着力と硬度を持つ反面、硬化後はガラスのように硬く脆い性質を示します。温度変化による熱膨張・熱収縮や、外部からの微振動を受けると、コンクリート界面から剥離したり樹脂自体にクラックが入る弱点がありました。
分子骨格に特殊な長鎖ポリオールやゴム成分を組み込んだ「可とう性エポキシ樹脂」は、硬化後も弾力と追従性を維持します。橋梁や高速道路の高架橋におけるコンクリートひび割れ注入材として施工された場合、日照による桁の伸縮や大型トラック通過時の微細なたわみ変形に完璧に追従し、再ひび割れや水の侵入を長期にわたりブロックします。また、半導体パッケージの封止材としても、シリコンチップと基板の熱膨張差を吸収する材料として重用されています。
2. 可とう性舗装(アスファルト舗装の力学的メカニズム)
道路工学において、アスファルト舗装は別名「可とう性舗装(たわみ性舗装)」と呼ばれます。これはコンクリート舗装(剛性舗装)と対比される概念です。
コンクリート舗装が「板としての曲げ剛性」で重たい車両荷重を支え、面全体に圧力を拡散させるのに対し、アスファルト混合物は荷重がかかると局所的にしなやかにたわみます。そのたわみを通じて、路盤、路床へと深さ方向に荷重を分散・減衰させて伝達します。地盤のわずかな不同沈下にも路面が割れることなく追従できるのは、アスファルトが持つ粘弾性・可とう性の賜物です。