病院予約は何分前が正解?早すぎる到着が迷惑になる理由と受診マナー

病院予約は何分前が正解?早すぎる到着が迷惑になる理由と受診マナー

病院予約は何分前が正解?早すぎる到着が迷惑になる理由と受診マナーについて押さえておきたい 注意点を厳選して解説いたします。

「早く行けば、前の人がキャンセルになった時に早く呼んでもらえるかもしれない」という期待から、予約の1時間〜1時間半前に受付へ現れる患者が後を絶ちません。しかし、この行動は医療機関にとって業務効率を阻害する深刻な要因となっています。取材に応じた総合病院のベテラン医事課職員は、困惑の表情で次のように語ります。

「熱心さやご不安な気持ちは痛いほど分かります。ですが、1時間以上早く来られた患者様から『まだ呼ばれないのか』『私より後に来た人が先に入った』と受付で詰め寄られることが日常茶飯事です。病院のシステム上、早く来られても予約時間枠の順番まで診察にお通しすることは基本的にできません」

病院予約で早すぎる到着が迷惑となってしまう構造的な理由は、主に次の3点に集約されます。

第1に、待合室のキャパシティ超過と院内感染リスクの増大です。外来待合スペースの座席数は、各時間帯の予約患者数と付き添い人数を綿密に計算して設計されています。1時間前の受診者が座席を占有してしまうと、本来その時間帯に受診すべき歩行困難な高齢者や、体調不良の患者が座れなくなる事態が発生します。また、院内滞在時間が長引くほど、インフルエンザなどの呼吸器系感染症に曝露するリスクも跳ね上がります。

第2に、自動再来機の受付開始時間によるシステム制御です。現在、中規模以上の病院で導入されている自動再来機の受付開始時間は、多くの施設で「予約時間の30分前」または「60分前」に制限されています。早すぎる時間帯に診察券を挿入してもエラー表示で跳ね返され、結局窓口スタッフが個別対応に追われることになり、本来の受付業務がストップしてしまいます。

第3に、電子カルテのワークフローの混乱です。現在の病院は、受付を通った順に電子カルテの受付リストへ患者名が表示されます。過度に早い来院者がリスト上位に溜まり続けると、看護師による事前のバイタル測定や問診のトリアージ順序が乱れ、現場スタッフは「誰が今まさに診察準備を整えるべき患者なのか」の判別に余計な認知リソースを割かれることになります。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。