現地スタンドの熱気とSNS上の声に耳を傾けると、ファンが応援歌を通じて体験しているリアルな心情の推移が見えてきます。
2019年の移籍直後、マツダスタジアムでの初打席では強烈なブーイングが飛び交いました。広島ファンにとっては、絶対的な主軸に抜けられた心の傷がそれだけ深かった証拠です。当時のネットコミュニティ(5ちゃんねるやX)では「巨人の新応援歌はまだ馴染めない」「広島時代の哀愁ある曲の方が合っていた」という辛口な評判も散見されました。
しかし、グラウンド上で全力を尽くす丸佳浩のひたむきな姿勢と、東京ドームで幾度となく放たれた劇的なアーチがファンの意識を塗り替えていきました。SNS上でのファンの生の声からは、その感情のグラデーションが如実に読み取れます。
「東京ドームのライトスタンドで『誰より強く 勇ましく』を大合唱したとき、鳥肌が止まらなかった。あの重厚なファンファーレこそ、巨人の主砲にふさわしい」(20代・巨人ファン男性)
「移籍直後は悔しくて巨人の応援歌を聞くことすらできなかった。でも、彼が古巣戦でも敬意を払い、泥臭く四球をもぎ取る姿を見るうちに胸のつかえが取れた。今では広島時代の曲も巨人の曲も、丸佳浩という偉大な打者の歴史として誇らしい」(40代・広島ファン女性)
年月を重ねるにつれ、応援歌は憎悪や未練を昇華させ、選手個人に対する純粋なリスペクトへと昇華していったのです。