Q1:標準誤差の数値には「これ以下なら合格」という絶対的な目安がありますか?
A1:絶対的な基準値は存在しませんが、実務上の目安として「変動係数」の考え方を応用し、標準誤差が標本平均の5%以下に収まっていれば推定精度は概ね良好と判断されます。逆に平均値の10〜20%を超える標準誤差が出ている場合、サンプルサイズ不足かデータの激しいばらつきが疑われるため、母集団の推定値として扱うには慎重を期す必要があります。
Q2:エクセルでグラフを作るとき、エラーバーにはどちらを表示するのが正解ですか?
A2:グラフの目的によります。「測定したサンプルそのものの散らばり(個々のデータの幅)」を読者に見せたい場合は標準偏差(SD)をエラーバーに設定します。一方、「推定した平均値の信頼区間や、群間比較で統計的に差があること」を示したい学術・研究報告の場合は標準誤差(SE)や95%信頼区間を用います。どちらを使用しているか、図のキャプションに「Mean ± SE」または「Mean ± SD」と明記することが国際的なルールです。
Q3:標本サイズ(n)を増やしても標準誤差が小さくならないケースはありますか?
A3:数式上、nを増やせば分母の√nが大きくなるため、標準誤差は必ず小さくなります。もしnを増やしてもSEが小さくならない、あるいは逆に大きくなったとすれば、追加したデータの中に極端な外れ値が混入して標準偏差 s が急増したか、異なる性質を持つ別の母集団のデータを混ぜてしまった(母集団の均質性が崩れた)ことが疑われます。