数学が苦手な人ほど、いきなり滑らかな波の曲線をフリーハンドで描こうとします。しかしプロの受験指導者が口を揃えて推奨するのは「波を先に描かず、箱(フレーム)を先に決める」という鉄則です。これこそが最も再現性の高いsinグラフ書き方およびcosグラフ書き方の極意です。
ステップ1:振幅と周期から長方形の「枠」を決める
一般形 $y = A \sin B\theta$ を描く場合、まず振幅 $A$(縦幅)と三角関数のグラフ周期を算出します。三角関数周期の求め方は極めて明快で、基本周期 $2\pi$ を $\theta$ の係数の絶対値 $|B|$ で割るだけです。
$$\text{周期 } T = \frac{2\pi}{|B|}$$
この周期 $T$ が長方形の横幅になり、上端 $A$、下端 $-A$ が縦幅になります。この長方形の外にグラフがはみ出すことはありません。
ステップ2:周期を「4分割」して基準点を打つ
定めた横幅(周期 $T$)を正確に4等分します。1つの区画は「$\frac{T}{4}$」です。ここに重要ポイント(スタート点、山、中央交点、谷、エンド点)の5つの点をプロットします。
- $\sin$ の場合:$(0, 0) \to (\frac{T}{4}, A) \to (\frac{T}{2}, 0) \to (\frac{3T}{4}, -A) \to (T, 0)$
- $\cos$ の場合:$(0, A) \to (\frac{T}{4}, 0) \to (\frac{T}{2}, -A) \to (\frac{3T}{4}, 0) \to (T, A)$
打った5つの点を、滑らかなカーブで繋ぎます。この手順を踏めば、グラフが縦に潰れたり、横に不自然に伸びたりする失敗は物理的に発生しません。
ステップ3:tanグラフの漸近線は「周期の半分」に注目する
波を描かない三角関数のグラフ漸近線(特に $\tan$)については、原点 $(0, 0)$ を中心に左右へ $\frac{\pi}{2}$ ずつ離れた位置に最初の漸近線が立ちます。$\tan B\theta$ の周期は $\frac{\pi}{|B|}$ となるため、周期が半分($\frac{\pi}{2|B|}$)進むごとに無限大へ発散して漸近線が現れる規則性を押さえておけば、迷う余地はありません。