保育園と幼稚園の最も根本的な違いは、設立の目的と根拠法にあります。保育園は児童福祉法に基づく「児童福祉施設」であり、保護者が就労や疾病などの理由で保育できない乳幼児を預かる場です。2023年4月に発足したこども家庭庁が主管事務局を担い、福祉の観点から運営基準が定められています。入園にあたっては自治体による審査が行われ、自治体指定の就労証明書や介護状況の証明書類を提出し、「保育の必要性(2号・3号認定)」の認定を受けることが必須条件です。
対照的に、幼稚園は学校教育法第1条に定められた正規の「学校」であり、文部科学省が管轄しています。保護者の就労状況に関わらず、満3歳以上の子どもであれば誰でも出願可能です(1号認定)。自治体による選考ではなく、各園の選考(面接や抽選、考査)によって合否が決まる仕組みです。
利用時間と年間スケジュールの差も顕著です。認可保育園の標準時間認定では原則1日あたり最長11時間(一般的に朝7時台から夕方18時〜19時台まで)の開所が基本であり、お盆や年末年始の数日を除いて原則として夏休みや冬休みといった長期休暇はありません。一方の幼稚園は、法令上の標準教育時間が1日4時間と設定されており、午後14時前後に降園となるスケジュールが一般的です。さらに公立校に準じた夏休み・冬休み・春休みが合計で年間約70〜90日存在します。
ただし、共働き世帯の急増を受けて幼稚園側の対応も様変わりしました。私立幼稚園連合会の調査データによると、全国の私立幼稚園の85%以上が夕方17時〜18時頃までの預かり保育と長期休暇中の預かりを実施しており、外見上の利用時間における差異は急速に狭まりつつあります。