退院時共同指導料を安全に算定し、審査支払機関からの返戻や査定を完璧に防ぐ防波堤となるのが「カルテ記載」と「レセプト摘要欄」の徹底です。監査の現場で指摘される不備の9割以上は、記載の脱落や具体性の欠如にあります。
カルテ(診療録)には、単に「共同指導を実施した」と書くだけでは通用しません。以下の要件を網羅した記載例をテンプレート化して院内に周知することが極めて有効です。
【カルテ記載の合格水準テンプレート例】 ・実施日時:2026年〇月〇日 15:00〜15:45(45分間)
・実施場所:当院病棟カンファレンスルーム(在宅側は一部オンライン通信接続)
・指導参加者:
[入院側]〇〇医師、〇〇看護師、〇〇MSW
[在宅側]〇〇クリニック 〇〇医師、〇〇訪問看護ステーション 〇〇看護師、居宅介護支援事業所〇〇 〇〇介護支援専門員
[患者・家族]患者本人、長女(主介護者)同席
・共同指導内容の要点:
退院後の内服管理(インスリン自己注射の手順確認)、創傷処置の注意点、入浴時の見守り手順および緊急時の連絡体制について説明。
・交付文書:「退院時共同指導計画書」を作成し、患者および在宅療養担当事業所に交付・同意取得済。
レセプト(診療報酬明細書)の摘要欄記載においても油断は禁物です。特に診療報酬改定のたびに厳格化される項目として、以下の記載漏れが即座に査定・返戻の対象となります。
- オンライン通信実施時の明記:ビデオ通話システムを用いて指導を行った場合、どの職種がオンラインで参加したか、およびオンライン接続を用いた正当な理由。
- 連携先機関の正式名称:共同指導を行った在宅療養担当医療機関、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所の正式名称の記載。
- 2回目の算定理由:特別な事情により入院中2回目の算定を行う場合、病状の急変や退院先の計画変更など、再度カンファレンスを要した臨床的・社会的理由の詳細な明記。
これらの記載がレセプト摘要欄から脱落していると、どれほど熱心に現場が支援を行っていても請求は跳ね返されます。医事課と病棟スタッフが一体となったダブルチェック体制の構築が必須です。