伊勢神宮を訪れる際、絶対に押さえておくべき基本が伊勢神宮参拝順序の原則です。「外宮先拝(げくうせんぱい)」と呼ばれる通り、衣食住の神である豊受大御神を祀る外宮(豊受大神宮)から参拝し、その後に日本の総氏神である天照大御神を祀る内宮(皇大神宮)へと進むのが千年以上受け継がれてきた習わしです。さらに本格的な作法を重んじるならば、神宮参拝の前に身を清める禊の場とされてきた二見興玉神社夫婦岩を最初に訪れるのが理想的とされています。
自家用車やレンタカーで訪れる旅行者の多くが、国道23号線や伊勢西インターチェンジ付近の渋滞、そして内宮周辺駐車場の満車トラップに捕まり、旅の前半で貴重な気力と時間をすり減らしています。こうしたリスクを回避する決定打が、鉄道と路線バスを軸にした移動設計です。
起点となるのは、伊勢志摩へのアクセスにおいて圧倒的な居住性を誇る観光特急「近鉄特急しまかぜ」です。大阪難波・京都・近鉄名古屋から伊勢市駅・宇治山田駅へと直結しており、本革シートの電動リクライニングやカフェ車両での軽食を楽しみながら、移動時間そのものを上質な旅の一部へ昇華させることができます。
以下に、車を使わずに1泊2日で効率よく要所を巡る王道のタイムスケジュールを示します。
【1日目:身を清め、外宮の静寂に触れる】
・午前10時30分:JR・近鉄「伊勢市駅」到着。駅前コインロッカーまたは手荷物配送サービスに荷物を預託。
・午前11時15分:三重交通バスで二見浦へ移動。二見興玉神社夫婦岩を参拝し、無事の参宮を祈願。
・午後1時30分:伊勢市駅へ戻り、駅前商店街で名物の伊勢うどんを味わう。
・午後2時30分:徒歩で外宮(豊受大神宮)へ。火除橋を渡り、正宮、多賀宮、土宮、風宮を順に巡る。
・午後5時00分:伊勢市駅周辺の宿へチェックイン。地魚と地酒を供する割烹や居酒屋で夕食。
【2日目:静寂の内宮早朝参拝と門前町の賑わい】
・午前6時30分:伊勢市駅前より臨時直行バスまたは始発路線バスで内宮へ。
・午前7時00分:伊勢神宮早朝参拝の魅力を肌で実感。宇治橋を渡り、五十鈴川御手洗場で手を清め、正宮・荒祭宮を参拝。
・午前9時00分:おはらい町・おかげ横丁食べ歩きを開始。混雑前の赤福本店で出来立ての赤福餅を堪能。
・午後1時00分:五十鈴川駅または鳥羽方面へ移動し、周辺観光または帰路の特急へ。