公式にモデルとされたスウェーデンの2都市には、劇中で見た象徴的な風景が今も息づいています。現地を訪れた旅行者が息をのむ、圧倒的なシンクロニシティの数々を整理します。
1. ストックホルム旧市街「ガムラスタン」と大時計の面影
スウェーデンの首都ストックホルムの心臓部に位置する「ガムラスタン(Gamla Stan)」は、13世紀に起源を持つ中世の面影を色濃く残す旧市街です。細い路地が入り組む石畳の坂道、温かみのある黄色や赤茶色の外壁は、まさにキキがホウキに乗って軒先をかすめ飛んだあの街並みそのものです。
特にファンを惹きつけるのが、ストックホルム市庁舎(Stadshuset)にそびえる高さ106メートルの塔です。劇中終盤、飛行船が引っかかり、巨大な時計の文字盤にキキが飛び移るクライマックスシーン。あの時計塔のモデルは、この市庁舎やガムラスタンにあるドイツ教会の尖塔など、ストックホルムを象徴する歴史的建造物のエッセンスが凝縮されたものと見て間違いありません。
2. ゴットランド島「ヴィスビー」の城壁と赤い屋根の海原
バルト海に浮かぶ孤島、ゴットランド島の中心都市「ヴィスビー」は、町全体がユネスコ世界文化遺産に登録されている城壁の街です。高台から見下ろすと、真っ青なバルト海を背景に、見渡す限りのオレンジ色の瓦屋根が波打つように広がります。
キキが空から初めてコリコを見下ろした瞬間の「海に浮かぶ美しい街」という視覚的インスピレーションは、このヴィスビーの景観から直接得られたものです。13世紀にハンザ同盟の拠点として繁栄した強固な環状城壁や、古い石造りのアーチ門をくぐるたび、劇中の風が頬をかすめるような錯覚に包まれます。