法律が整備されているにもかかわらず、現場では依然として制度をめぐる軋轢が後を絶ちません。SNS(X)や知恵袋、労働問題相談窓口に寄せられた働く女性たちのリアルな証言を検証すると、共通する構図が浮かび上がってきます。
都内のIT関連企業で働く30代女性は、当時の特番インタビューや手記で語られた現場のリアルについて次のように告白しています。
「医師から『切迫流産の兆候があるため即座に2週間の絶対安静』と言われ、母健連絡カードを提出しました。しかし、直属の上司は眉をひそめ、『みんなつわりを我慢して働いてきた。診断書じゃない書類1枚で急に休まれても困る。引き継ぎはどうするんだ』と机の引き出しにしまわれたのです。公の場で見せた会社側の理解あるポーズとは裏腹に、現場の閉鎖的な空気に絶望しました」
コミュニティやSNS上でも、「時短勤務を希望したらパートへの降格を打診された」「『代わりの人員を雇う金はない』と嫌味を言われ続け、精神的に追い詰められて退職した」という生々しい声が散見されます。
こうしたトラブルの根本原因は、中間管理職層における均等法への無知と、妊娠した社員が抜けた穴を残された同僚にそのまま背負わせる人員配置の不備にあります。職場全体に余裕がない場合、制度を利用する当事者に「申し訳なさ」という名の心理的重圧が集中してしまうのです。