現場の親御さんを最も悩ませるのが、「これは放っておいて良い成長痛なのか、それとも医療機関に行くべき病気なのか」という判断です。いわゆる「成長痛」という言葉は、医学的には器質的な異常(レントゲンやMRIで写る損傷)が見当たらないにもかかわらず、夕方から夜間にかけて子どもが膝やかかとを訴える特発性の痛みを指すケースが主流です。
シーバー病は成長痛の枠組みで語られがちですが、骨端部という明確な組織の損傷を伴う「過度使用障害(オーバーユース症候群)」です。治療法や運動制限の要否もまるで異なります。成長期のかかと・下肢に現れる代表的な3つの症状について、臨床現場の判断基準を一覧で比較します。
「朝起きたら子どもがかかとを引きずっている」「走るとかかとが痛いと訴え、つま先立ちで歩いている」という状態であれば、成長痛ではなくシーバー病を第一に疑うべきです。痛みを放置して庇い続けると、足首だけでなく膝や股関節、腰にまで負担が波及し、身体のアライメント(骨の配列)を狂わせる結果につながります。