Q1:なぜ法律名に「旧土人」という言葉が使われていたのですか?
A1:明治政府は当時、北海道の先住民族を「古くからその土地に住んでいた土着の人々」という意味合いで「土人」と公文書で呼称していました。その後、開拓が進むにつれて和人(移住者)と区別し、戸籍上の管理を行うために「旧土人」という呼称を用いました。現在では明白な差別用語・蔑称として扱われていますが、当時は国家の公的用語として法律名に刻まれていました。
Q2:法第1条で交付された「給与地」は現在どうなっているのですか?
A2:15年の開墾期限を守れずに国に没収されたり、劣悪な土壌のため耕作を断念せざるを得なかったりした土地が少なくありませんでした。また、法改正によって売却が可能になった昭和期以降、困窮や生活苦から安値で和人入植者や不動産業者に買い叩かれ、結果として大半がアイヌの手を離れることになりました。1997年の法廃止に伴い、知事管理下にあった「共有財産」は当事者団体へ返還手続きが取られました。
Q3:学校の歴史教科書では北海道旧土人保護法はどのように教えられていますか?
A3:昭和後期の教科書では開拓の歴史が美化され、法律名すら記載されないケースが目立ちましたが、平成から令和にかけての教科書改訂により、同化政策の柱として明確に記載されるようになりました。現在の中学校・高校の歴史教科書では、明治政府による土地の取り上げ、アイヌ語や風習の禁止、そして旧土人保護法が同化を促すための法律であったことが標準的な事実として教えられています。