太平洋戦争と新聞の真実|なぜ大本営発表の嘘を報じ国民を煽ったか

太平洋戦争と新聞の真実|なぜ大本営発表の嘘を報じ国民を煽ったか

太平洋戦争と新聞の真実|なぜ大本営発表の嘘を報じ国民を煽ったかの概要と注目ポイントを一挙に解説しました。

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戦時中のメディアによる虚偽報道の象徴として知られるのが、1942年6月の「ミッドウェー海戦」をめぐる報道です。この戦いで日本海軍は主力空母4隻(赤城・加賀・蒼龍・飛龍)と多数の熟練搭乗員を失い、太平洋戦争の主導権を完全に失う壊滅的打撃を受けました。

ところが、大本営発表はこの惨敗を隠蔽し、「敵空母2隻を撃沈、我が方の損害は空母1隻喪失」というまったくの嘘を発表しました。新聞各紙はこれを受けて一面トップに「敵米太平洋艦隊を撃滅」「大東亜の制海権を完全掌握」といった勇ましい見出しを躍らせ、大勝利を大々的に報じました。敗北の現場を目撃した軍人たちには箝口令が敷かれ、病院船で隔離されるなど、真相の流出は徹底して防がれました。

当時の国民がこうした虚偽発表を信じ込んだ背景には、開戦初期の真珠湾攻撃や南方作戦における実際の戦果の記憶がありました。「大本営が嘘をつくはずがない」という国家への無条件の信頼と、新聞が連日煽る戦勝ムードが重なり、全国各地で提灯行列や祝賀行事が行われました。客観的な戦況データや海外からの短波放送の聴取が厳罰によって遮断されていたため、国民には大本営発表の嘘を見抜く手段が残されていませんでした。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。