骨粗鬆症治療薬として広く使われている「プラリア」や、がんの骨病変治療に用いられる「ランマーク」は、いずれもデノスマブという抗体を有効成分とする注射薬です。これらは骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きを強力に抑え、骨密度の低下を防ぐ優れた治療効果を発揮します。
しかし、骨の破壊が急激にストップすると、骨から血液中へと溶け出していたカルシウムの供給も一気に遮断されます。その結果、血液中のカルシウム濃度が急激に下がるデノスマブ投与に伴う低カルシウム血症を引き起こすリスクが生じます。血中カルシウムが不足すると、手足や唇のしびれ、筋肉の痙攣(テタニー)、気分の落ち込みといった重篤な症状が現れかねません。
そこで、不足するカルシウムをあらかじめ補給し、血中濃度を一定に保つ防波堤として開発されたのがデノタスチュアブルです。プラリア併用理由やランマーク併用の根本的な目的は、骨を強くすること以上に、強力な注射治療を安全に継続するための「必須の安全装置」としての役割にあります。