「サークル」の語源は、ラテン語の「circulus(小さな円)」に由来する英語の「circle」です。英語本来の「circle」は、幾何学的な「円」のほかに、「同じ関心や社会的地位を持つ人々の輪・仲間内・社交界」という意味を持っています。例えば、「literary circle(文壇・文学仲間)」や「inner circle(側近グループ・中枢部)」といった使い方が代表的です。
しかし、日本の大学や地域社会で見られる「自主的な学生グループ」をそのまま英語で「circle」と呼んでも、ネイティブには意図が正確に伝わりません。欧米の大学では、学生が自主運営する団体を「student club」や「society」、あるいは「student organization」と呼ぶのが一般的です。
日本で「サークル」という言葉が定着したのは、1950年代から1960年代にかけての学生運動や文化運動の時代です。既存の厳格な「部活動」という上下関係の強い枠組みに対するオルタナティブとして、上下関係のないフラットな「車座(円陣)」を組む集まりを「サークル」と呼び始めたのが、日本独自の用法としての起源とされています。そのため、現代の大学サークルという概念は、日本独自の文化的背景から発展した和製英語に近い定着語といえます。