結論から明かすと、エビフライのしっぽとゴキブリの羽が同一の物質であるという主張は明らかな誇張と誤認です。この都市伝説の発生源となっているのは、甲殻類や昆虫の表皮(クチクラ層)を形成する高分子多糖類「キチン質(キチン)」の存在にあります。
キチンは、地球上でセルロースに次いで豊富に存在する天然の高分子化合物です。エビやカニの外殻だけでなく、ゴキブリの羽や甲虫類の硬い殻、さらにはキノコなどの菌類の細胞壁にも広く含まれる構造材料に過ぎません。生物学的に「体を支え保護する骨格成分」として共通の物質が使われているだけであり、これを「エビのしっぽはゴキブリと同じ」と表現するのは、「木造住宅と割り箸は同じセルロースだから全く同じものだ」と言い張るのと同義の極論です。
さらに、エビフライの尻尾は筋肉組織や水分、ミネラル、色素成分などを含む食用部位ですが、害虫であるゴキブリの外皮には特有の分泌物や病原菌が付着しています。食品としての衛生度・組成比率は根本から異なるため、都市伝説を真に受けて恐怖を感じる必要はありません。