現在のインバウンド市場において、中国人による訪日理由は質的な転換を迎えています。以前のように大型バスで乗り付け、免税店で大量の炊飯器や化粧品を買い占める光景は過去のものとなりました。現在の主流は、個人の好みに応じて自由に旅程を組む個人手配旅行(FIT)です。
長引く円安の影響もあり、中国の旅行者にとって日本は「極めてコストパフォーマンスが高く、上質な体験ができる国」として認知されています。東京や京都、大阪といった定番のゴールデンルートだけでなく、東北の秘湯温泉や信州の大自然、アニメの舞台となった地方都市など、中国人観光客の人気スポットは全国津々浦々へと分散しています。
旅の目的も「名所を巡る」ことから、「ミシュラン掲載の寿司店で食事をする」「本格的な旅館で露天風呂を堪能する」「日本の伝統工芸を体験する」といった体験型の消費へと完全に移行しました。