ネット上の情報では「伊賀市は上野公園周辺を見て回れば数時間で終わる」という言説が散見されますが、これは明確な誤解です。中心街から少し足を伸ばすだけで、雄大な自然と古刹が織りなす静謐な伊賀市穴場スポットが数多く存在します。
代表的な穴場が、三重県と奈良県の県境近くに位置する霊山・新大仏寺です。源頼朝が建立したこの古寺には、重要文化財に指定されている巨像の快慶作・木造如来坐像が鎮座し、観光地の喧騒から完全に隔離された荘厳な空気に包まれています。
また、自然のダイナミズムを体感したい層には、青蓮寺川の上流に広がる香落渓(かおちだに)の柱状節理の奇岩群や、標高600メートルの高原に広がるハーブガーデンリゾートが隠れた人気スポットとして機能しています。紅葉の秋はもちろん、新緑の初夏にも息をのむ絶景が広がり、人混みを避けてゆったりとリフレッシュしたい旅行者に選ばれています。
さらに近代建築ファンを唸らせるのが、明治初期の擬洋風建築として現存する三重県指定有形文化財「旧小田小学校本館」です。アーチ窓や白壁のコントラストが美しい木造校舎は、往時の教育熱の高さを物語る遺産であり、写真愛好家にとって隠れた名撮影地となっています。