都市部の居酒屋激戦区において、土佐清水ワールドが際立った存在感を放ち続ける最大の理由は、現地そのままの味と熱気を持ち込む徹底した産地直送体制にあります。高知県の最南端に位置する土佐清水市は、黒潮が激しくぶつかる豊かな漁場に恵まれ、カツオや清水サバをはじめとする極上の海産物の宝庫です。株式会社ワールド・ワンは自治体と直接手を取り合い、構想から3年という歳月をかけて強固な流通ルートを構築しました。
看板商品であるかつおの藁焼きは、注文が入るごとにオープンキッチンの専用焼き場で一気に焼き上げられます。800度から900度にも達する藁の猛烈な火力で表面のみを瞬時にムラなく焼き固めることで、かつお本来の濃厚な脂と旨味を完全に閉じ込め、豊かな藁の燻煙香をまとわせます。一口食べれば、パリッと香ばしい皮目ともっちりとした赤身のグラデーションが口いっぱいに広がり、一般的なガス火調理のタタキとは一線を画す体験が得られます。
もう一つの決定的な強みが、日本有数の生産量を誇る宗田節(そうだぶし)の存在です。メジカ(ソウダガツオ)から作られる宗田節は、通常の本枯節よりもコクと旨味成分が格段に強く、出汁文化の根底を支える高級素材として知られています。店舗ではこの宗田節をふんだんに使用した特製ポン酢や出汁醤油が常備されており、料理全体の味の解像度を劇的に引き上げています。