研ナオコを語る上で絶対に外せないのが、昭和歌謡史に燦然と輝く歌手としての圧倒的な実績です。デビュー当初はヒットに恵まれない下積み時代を経験したものの、1975年に中島みゆき作詞・作曲の『愚図』と出会ったことで運命が大きく動き出します。
ハスキーで湿り気のあるハスキーボイスと、都会の孤独や女心の機微を痛切に表現する歌唱力は瞬く間に世間を魅了。同曲で第17回日本レコード大賞・優秀歌唱賞を受賞しました。その後も、ミリオンセラーに迫る大ヒットを記録した『あばよ』(1976年)、切ない名曲として歌い継がれる『かもめはかもめ』(1978年)、サザンオールスターズのカバーとして名高い『夏をあきらめて』(1982年)など、数々の代表曲を世に送り出しました。
憂いを帯びた表情でマイクを握るステージ上の姿は、見る者を惹きつけてやまない唯一無二の歌姫そのものでした。