なぜ彼は、最も愛する妻に向けて引き金を引いたのか。その隠された真実の理由は、警察の特殊な危機管理プロトコルと小五郎の極限状態での判断力にある。人質が自力で立っていられない状態(足を負傷した状態)になれば、逃亡を図る犯人にとって重荷となり、犯人は人質を解放せざるを得なくなる。
自分の射撃能力に対する絶対的な自信がなければ、最愛の妻の足をかすめ射撃するなど不可能だ。一歩間違えれば命を奪いかねない極限のプレッシャーの中、寸分の狂いもなく狙い通りの部位を撃ち抜いた神業。普段の姿からは想像できない驚愕の真実であり、彼が警察を辞めざるを得なくなった悲劇的な背景と同時に、男としての深い愛と決断力が刻まれた屈指の名シーンとなっている。