日本には古くから、顔を隠して活動するクリエイターの文化が根付いている。素顔を伏せたままミリオンセラーを叩き出したアーティストや、イラストを前面に出すボカロP出身のミュージシャンたち。顔を出さずに作品の純度で勝負する姿勢は、デジタルネイティブ世代にとってすでに違和感のない選択肢だ。
だが、Adoが決定的に異なるのは、その匿名性を保持したまま世界最高峰のスタジアムや世界ツアーの会場を埋め尽くしている点にある。顔を見せないステージングが海外の音楽メディアでも「異彩を放つ演出美学」として絶賛され、グローバルポップスターの新しい在り方を提示した。