実生活において最も誤解が生じやすいのが、義務教育の構造です。ネット上の議論や知恵袋などでは「子どもには学校へ通う義務がある」と勘違いされるケースが散見されます。
しかし法的な実態は、「親(保護者)の義務と子どもの権利」です。憲法第26条が定めているのは、保護者が子どもに対して教育を受けさせる義務であり、子ども自身は「教育を受ける権利」の主体です。したがって、不登校の子どもが学校に行かないこと自体は法的な義務違反にはあたりません。自治体や保護者が教育の機会を奪うことこそが法的な責任を問われる対象です。
また、職場における有給休暇の取得を巡るトラブルでも同様の摩擦が見られます。「業績が悪いから有休は認めない」「義務を果たしてから休め」といった主張は、労働基準法第39条に明記された労働者の法定権利を無視した違法な運用です。権利の行使を道徳的な責任論と混同してしまうケースが、トラブルの現場では後を絶ちません。