過去に遡って未払い分を取り戻すには、正しい計算ロジックの理解が欠かせない。計算の基本式は「1時間あたりの基礎賃金 × 割増賃金率 × 実際に発生した残業時間(1分単位)」だ。
まず、月給制の場合は基本給や各種手当(通勤手当や家族手当など除外できる手当を除く)を1ヶ月の平均所定労働時間で割り、単価を算出する。例えば時給換算で2,000円の社員が、毎夕25分の残業を月20日行っていたとしよう。30分単位で切り捨てられていれば残業代は0円と処理される。だが本来は、月500分(8時間20分)の労働が発生している。
時間外労働の割増率1.25倍を掛けると、月額で20,833円の未払いが生じている計算だ。これが1年間続けば約25万円、請求権の消滅時効である3年間に及べば75万円以上にも達する。日々の20分や25分の差額を「たかが数分」と見過ごすわけにはいかない。