テレビ局の報道現場における忖度と冤罪事件の闇を描いて大ヒットを記録したドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』。劇中で表現された「伝えたい事実が握りつぶされる恐怖」は、実在する報道現場の日常と驚くほどリンクしている。しかし、現場を知る元記者によれば、現実はドラマ以上に複雑で根深いという。
放送局や大衆紙が自社の利益や政治的配慮から取材にブレーキをかける中、最後まで食い下がることができたのは、スポンサーに依存しない強固な直売モデルを持っていた一部の週刊誌だけだった。調査報道の最後の砦として機能してきた存在が、今やメディアの生態系変化によって揺らいでいる。伝えるべき真実と、ビジネスとしての報道の維持という二項対立が、現場のジャーナリストを苦しめ続けている。