物語の根底にあるファンタジー設定「エナ(海中で呼吸と体温維持を可能にする皮膚)」と、古くから伝わる「海神様とおじょしさまの伝承」には、緻密な伏線が張り巡らされていました。
まなかが海神様の怒りを鎮めるための生贄(おじょしさま)の身代わりとなった際、海神様がまなかから奪ったのは、命ではなく「人を好きになる心」そのものでした。目覚めたまなかがどこか空虚で、光への感情を喪失していたのはこのためです。まなかのエナが剥がれ落ち、海へ溶け出していた現象は、彼女の恋心が海神様の深い悲しみと共鳴していたことを示していました。
最終回(第26話「海の色。大地の色。風の色。心の色。〜Tiny dust of snow〜」)では、まなかの喪失した心を取り戻すため、再び「おふねひき」が執り行われます。美海が身代わりになりかける危機を光たちが乗り越え、光のまなかへの真摯な想いが海神様の頑なな心を溶かします。結果として世界を覆っていた寒冷化の脅威は去り、まなかの心も無事に戻り、海と陸の人々が手を取り合う融和の未来が開かれました。