この事件は、日本とフィリピンの外交・捜査協力のあり方を根本から変えた。
かつては「犯罪者の天国」とまで揶揄されたフィリピンの収容所だが、日本政府からの強い働きかけと国際的な批判を受け、フィリピン当局は大規模な改革に乗り出した。収容所内の汚職看守の一掃、通信機器の徹底的な没収、そして容疑者の迅速な強制送還手続きの整備が進められた。
しかし、これで問題が解決したわけではない。犯罪グループはすでに、フィリピンからカンボジア、ミャンマーといった東南アジアの他の治安脆弱地域へと拠点を移しているとされる。国境を越えたサイバー犯罪に対抗するためには、二国間の協力にとどまらず、インターポール(国際刑事警察機構)を中心とした多国間の即時捜査体制の構築が急務となっている。