カルテの引っ掻き傷は医療用語で何と書く?診断書の見方と処置法

カルテの引っ掻き傷は医療用語で何と書く?診断書の見方と処置法

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日常会話で「引っ掻き傷」と呼ばれる損傷は、医療現場のカルテや診断書において主に「掻破創(そうはそう)」または「掻破痕(そうはこん)」と記載されます。皮膚科学および外科学の定義において、自身の爪や他者の爪、鋭利な爪状の物体によって表皮が線状に削り取られた開放性の傷を「掻破創」と呼び、すでに治癒過程に入って赤い筋や色素沈着として残っている痕跡を「掻破痕」と呼びます。

医療文書で見かける掻創(そうそう、読み方)も引っ掻き傷を指す同義語ですが、日本形成外科学会や救急医学会の基準では、外力によって組織が破壊された創傷全般を分類する際、成因をより具体的に示す「掻破創」の表記が広く普及しています。

ここで患者側が最も混同しやすい専門用語が「掻爬(そうは)」です。文字の並びは似ていますが、掻爬とは「鋭匙(えいひ)と呼ばれる器具を用いて体表面や子宮内膜などの組織を意図的に掻き出す処置」を指す外科手術用語であり、外傷である掻破(そうは)とは全く概念が異なります。

電子カルテの普及に伴い、現場では英語や略語による記載も日常的に行われています。引っ掻き傷に関する代表的なカルテ用語としては、皮膚が掻きむしられた状態を表す「Excoriation(掻破/表皮剥離)」や、線状の傷を指す「Scratch wound」が頻繁に用いられます。医師が「顔面 爪による掻破創 約5cm」「右前腕に多数の掻破痕あり」などと記載することで、受傷機転(どのように怪我をしたか)が医学的・法的に確定されます。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。