放送から10年近くが経過した現在も、本作が韓国時代劇の入門作・決定版として推され続ける理由はどこにあるのでしょうか。当時の制作陣インタビューや国内外の視聴者レビューを精査すると、イ・ビョンフン監督が仕掛けた「徹底した情報開示と視聴者心理の設計」が浮かび上がってきます。
従来の時代劇を覆した「外知部(弁護士)」という斬新な切り口
朝鮮王朝時代の宮廷闘争劇は数多く存在しますが、『オクニョ』の最大の独自性は、歴史の教科書でもほとんど光が当てられてこなかった「典獄署(監獄)」と「外知部(庶民のための弁護士制度)」にスポットを当てた点にあります。ただ刀を振り回して復讐を果たすのではなく、「法と証拠に基づいて悪人を追い詰める」という現代的なリーガル・サスペンスの要素を時代劇に持ち込んだことが、知的好奇心を刺激し続けている要因です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
長編韓国時代劇を鑑賞するにあたり、本作が自身の好みに合致しているかを見極めるための判断基準を提示します。
【本作の鑑賞を強くおすすめできる人】
・『トンイ』『宮廷女官チャングムの誓い』『イ・サン』など、どん底から知恵と努力で成り上がるサクセスストーリーが好きな人。
・複雑な宮廷陰謀劇と、スカッとする勧善懲悪のカタルシスを同時に味わいたい人。
・歴史の裏に隠された制度や文化(監獄の内情、当時の商取引、法廷闘争)のリアリティに興味がある人。
【鑑賞に慎重になるべき人】
・甘い胸キュンロマンスを最優先で求めている人(オクニョとテウォンの関係は同志愛・信頼関係の要素が強く、純粋なラブストーリーの比率は控えめです)。
・全51話という長編を一気に消化するまとまった時間が取れない人。