戦後のGHQによる財閥解体によって、岩崎家による三菱各社に対する直接的な株式支配や経営権は完全に消滅した。では、現在の三菱グループと岩崎家の関係はどうなっているのだろうか。
グループ主要26社のトップが集う閉鎖的な懇談会「三菱金曜会」において、岩崎家の人間が特別席を用意されることはない。しかし、彼らが掲げた「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」という三綱領は、今なおグループ全体の不可侵の精神的支柱として生きている。血縁による支配から組織の理念による結合へ。三菱がグローバル企業群として勝ち残り続ける背景には、岩崎家が残した組織文化のDNAが存在する。