抜いた歯をコーラに1週間浸すとどうなるか。答えは「確かに表面のエナメル質が溶けてぼろぼろになる」。これが都市伝説の最大の根拠となってきた。しかし、かつてNHKスペシャルなどの科学検証ドキュメンタリー番組が実験を行った際にも指摘された通り、生体の歯と「ガラス容器に放置された死んだ歯」では条件が根底から異なる。
生体の口内には、絶え間なく分泌される唾液の流動があり、保護膜(ペリクル)が歯を覆っている。実験室のビーカー内には唾液による中和も再石灰化も存在せず、酸が24時間連続で攻撃し続ける。要するに、「コーラに漬け込めば溶ける」という実験結果を「飲んだら歯が溶ける」へとすり替えたことこそが、都市伝説のトリックだったのだ。