ペキンの中華人民共和国外交部から出される指令は、刻々と変化する対日政策をダイレクトに反映する。現在、習近平国家主席が主導する強固な外交路線のもと、対外発信の強化と自国の権益防衛が最優先課題として掲げられている。この大方針は、日本の地方に置かれた総領事館の現場にも確実に浸透している。
現場を率いる楊嫻総領事の言動にも、その空気感は色濃く表れる。地域イベントや講演の場において、経済協力の重要性を訴える一方で、台湾問題や安全保障に関わるテーマでは中国政府の公式立場をき然と主張する場面が少なくない。日本国外務省との間でも、水面下では領事手続きの円滑化や安全確保を巡る密度の高いコミュニケーションが継続して行われている。まさに、国家規模の外交戦略と地方都市での現実的な実務が交錯するリアルな舞台裏がそこにある。