こうした伝統と革新の葛藤は、エンターテインメントの表舞台にも大きな波紋を広げている。映像作品というメディアを通じて、相撲文化の奥深さと歪みが世界中の視聴者へ向けて立体的に提示されるようになった。
周防正行監督が手がけた伝説的映画の精神を受け継ぎ、新たな現代的解釈で制作されたDisney+のドラマ版『シコふんじゃった!』は、大学の相撲部を舞台に女子選手が土俵の上で葛藤し、成長していく姿を生き生きと描き出した。一方で、Netflixの世界的大ヒット作であるスポーツドラマ『サンクチュアリ -聖域-』は、男たちの血と汗が渦巻く角界の泥臭いリアルを爆発的な熱量で描き出し、世界的な相撲ブームを巻き起こした。フィクションの力が、知られざる相撲界の閉鎖性と力強さを同時に白日のもとに晒したのだ。