テレビドラマでの成功に甘んじることなく、彼女は映画の世界でも鋭い牙を研いでいた。1997年の映画『ラヂオの時間』では、自身の書いたシナリオが原型をとどめないほど改変されていく主婦ライター役をコミカルかつ切なく熱演。日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した。
さらに20代最後の年となる1999年には、本格ミステリー映画『39 刑法第三十九条』に出演。精神鑑定人を演じ、重厚でシリアスなテーマに真っ向から挑んだ。抑えたトーンの中に渦巻く葛藤を見事に表現し、キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞など数々の賞を総なめにする。20代のうちに、すでに日本映画界を背負う大女優としての風格を完成させていたのだ。