インターネット上の育児情報には「乳歯はいずれ自然に抜けるから放置してよい」という言説が散見されますが、これは明確な誤解です。適切な時期を大幅に過ぎても乳歯が抜けずに留まる乳歯晩期残存は、歯並びへの影響と予防の観点から警戒すべき状態です。
乳歯が強固に残存していると、後から生えようとする永久歯は障害物を避けるように外側や内側の異常な位置へと迂回して生えてきます。一度ズレた位置に生えきってしまうと、自然治癒することは難しく、将来的に本格的なワイヤー矯正やマウスピース矯正が必要になるリスクが跳ね上がります。
また、乳歯が抜けない時の対処法として、家庭で糸を巻き付けて無理に引っ張ったり、指で過度にいじったりする民間療法は厳禁です。歯根が中途半端に残ったまま折れる「歯根破折」を起こすと、内部で化膿して後続の永久歯のエナメル質形成不全(ターナー歯)を招く恐れがあります。グラつきが小さく痛みを伴う場合は、自己判断せず歯科医院で安全に抜歯処置を受けるのが確実な選択肢です。