足の甲に生じる「ゴリゴリ」という異常感覚には、大きく分けて「組織の摩擦・軋轢音」と「物理的な腫瘤・骨変形」の2つの側面があります。足の甲には足指を上へ引き上げる長母趾伸筋腱や長趾伸筋腱といった複数の伸筋腱が走行しており、これらを包む腱鞘との間で摩擦が起きると、動作のたびに軋むような感触や音が発生します。
一方で、手で触れた際に米粒大からピンポン球大の硬い隆起を触知する場合は、関節包や腱鞘から生じる良性腫瘍の一種であるガングリオン、あるいは関節軟骨の摩耗に伴って形成された骨棘(こつきょく)が疑われます。足の甲のしこりは皮下組織が薄いために骨と見紛うほど硬く感じられる特徴があり、靴のアッパー(甲被)に圧迫されることで局所に強い炎症や痛みを引き起こします。
特に足の甲を押すと痛いしこりがある場合、背側指神経などの微細な神経束が腫瘤と靴の間で挟み込まれ、指先へ放散するしびれや電撃痛を合併しているケースも珍しくありません。足の甲で音が鳴る現象やゴリゴリとした引っかかり感を自覚した段階で、すでに腱や関節組織には限界以上のメカニカルストレス(機械的負荷)が加わっています。