宇宙船製造法はどう進化した?3Dプリントが変える驚愕の現場と開発費の真相

宇宙船製造法はどう進化した?3Dプリントが変える驚愕の現場と開発費の真相

宇宙船製造法はどう進化した?3Dプリントが変える驚愕の現場と開発費の真相について重要なポイントを解説いたします。詳細な分析をお届けします。

ネット上の掲示板やSNSでは、宇宙船に対して「最新鋭のナノマシンやスーパーコンピュータで構成された完全無欠のハイテクマシーン」というイメージが流布していますが、実際の製造現場を知る技術者から見れば、これは明らかな誤解です。

誤解1:宇宙船の頭脳には最新の超高性能CPUが積まれている?

真相は正反対です。多くの宇宙船の基幹フライトコンピュータに採用されているのは、クロック周波数が数十MHzから数百MHz程度という、地上のスマートフォンや家電製品よりもはるか昔の「枯れた半導体(例:RAD750など)」です。宇宙空間には強烈な銀河宇宙線や太陽フレアが飛び交っており、微細化された最新の3nm・2nmプロセスチップは放射線がシリコンに衝突しただけでビット反転(シングルイベントアップセット)を起こして即座に暴走します。あえて回路幅の太い頑丈な耐放射線強化チップを採用し、同じ計算を3台の独立したコンピュータで同時に実行させて多数決をとる「三重冗長系」を構築する泥臭さこそが、宇宙船製造の絶対原則です。

誤解2:3Dプリンターを使えばボタン一つで宇宙船ができる?

「3Dプリント技術で工場の自動化が完了した」という言説も極端な誇張です。確かに燃焼室などの複雑な部品出力は行われますが、金属3Dプリンターから取り出された直後のパーツは、内部に応力が残留し、表面もざらざらでそのままでは使い物になりません。その後、超高圧・高温下で内部の微小空隙を押し潰す「HIP処理(熱間等方加圧加工)」を施し、熱処理炉に入れ、数日かけて徐冷したのち、超高精度の5軸マシニングセンタで接合面を研磨。さらにX線CTスキャンや超音波探傷試験で内部に100ミクロンの欠陥もないかを検査する……。実のところ、3Dプリント後の「後工程と非破壊検査」に全工程の7割の工数が費やされています。

山田 真由
著者

山田 真由

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