ネット上やSNSでは「軽自動車は壊れるまで乗り続けるのが生涯コストで一番安い」という意見が散見されます。しかし、この主張にはファイナンスや安全面におけるいくつかの重大な盲点が抜け落ちています。
第1の落とし穴は、「修理代の突発的な発生による機会損失」です。7年〜10年を超えた軽自動車は、エアコンコンプレッサーの焼き付き(修理費10万〜15万円)やCVTトランスミッションの不具合(修理費20万〜30万円超)といった致命的なトラブルが予兆なく発生します。査定額が5万円しかない車に20万円の修理代を払うかどうかの苦悶に直面し、結果として最も不利な条件で急ぎの買い替えを強いられるケースが後を絶ちません。
第2の落とし穴は、「フルモデルチェンジ前の売却相場の下落」です。愛用しているモデルの新型が登場すると、旧型となったモデルの下取り相場はオークション市場で一気に数万円から十数万円下落します。自動車専門誌のスクープ情報やメーカーのティザーサイトを注視し、モデルチェンジが正式発表される数ヶ月前に売却を成立させることが高値維持の鉄則です。
第3の落とし穴は、「売却時期の季節要因の軽視」です。中古車市場が年間で最も活性化するのは、中古車販売店が在庫確保に躍起になる「1月下旬〜3月の春の決算期」および「8月下旬〜9月の中間決算期」です。同じ年式・同じ走行距離であっても、需要が冷え込む4月や12月に査定を出すのと、3月決算期に向けて売却するのとでは、買取額に10万円前後の開きが生じることがあります。