測量機器の選定や運用に関して、Web上や一部の現場で散見される誤解を是正します。
誤解1:「ノンプリズム機能があれば、プリズムはもう一切不要である」
ノンプリズム測距は利便性が高い反面、照射対象の「材質」「色」「入射角度」によって反射率が変動します。ガラス、濡れた路面、斜めになった暗色ブロックなどでは測定値に数ミリ〜数センチの誤差が生じる場合があり、ミリ単位の精度が要求される基準点測量や構造物の位置決めには、依然としてコーナーキューブプリズムを用いた反射測量が不可欠です。
誤解2:「一度購入すれば壊れるまで精度は変わらない」
トータルステーションはミクロン単位の内部メカニズムで構成されています。現場の振動、温度変化、運搬時の衝撃によって、光軸や鉛直軸のズレ(器械誤差)は日常的に蓄積します。公共測量作業規程では年1回の定期校正(検定)が義務付けられており、定期的な点検を怠った機器による測量データは公的な成果品として認められません。