袴を美しく畳むための最大のコツは、「平らな広いスペースを確保し、折り目を手アイロンでしっかり押さえながら進める」点に尽きます。ベッドの上や畳の上に凹凸がある場所で作業を始めると、ヒダが途中でねじれて不要な折りジワが定着してしまいます。
構造上、袴には前身頃に5本(左右で5つのヒダ)、後ろ身頃に2本(中央に深いヒダ)の折り目が存在します。多くの初心者が「表側(前身頃)から整えようとして失敗する」のに対し、熟練の着付け師や武道家は裏側(後ろ身頃)から先にヒダを固定するという逆転の手順を踏んでいます。裏側のヒダが正しく定着していれば、表に返した際も重力に従って前ヒダが自然と本来のラインへ収まるため、余計な摩擦やよれを生みません。