旭丘高校のアイデンティティを最も象徴するイベントが、毎年秋に開催される学校祭「鯱光祭(ここうさい)」だ。分科会、前夜祭、体育祭、舞台祭、文化祭、後夜祭からなる計6日間のビッグイベントは、企画から予算管理、会場設営、警備に至るまで、文字通り生徒の手だけで運営される。
舞台祭で披露されるクラス劇のクオリティは高校生の域を完全に超越している。照明や音響機材のオペレーション、巨大な舞台装置の設計、脚本の執筆まで、すべてがゼロから生み出される。準備期間中には意見の衝突による激しい摩擦や、スケジュール遅延のプレッシャーが容赦なく降りかかる。
予算折衝やトラブルシューティングという名の「大人の泥臭い実務」を10代半ばで徹底的に叩き込まれる経験は、机上の学習では決して得られない胆力を生徒たちに授けている。