近年のトレンドに伴い、「縮毛矯正は傷むから、髪質改善トリートメントのリタッチにしたい」と考える人が増えています。しかし、ここには毛髪理論上の大きな誤解があります。
「髪質改善(酸熱トリートメント等)」と「縮毛矯正」は、アプローチの根本が全く異なります。縮毛矯正は、アルカリ剤や還元剤を用いて毛髪の結合(S-S結合)を一度切断し、アイロンで再整列させてから酸化剤で再結合させる恒久的な構造変化です。一方、髪質改善トリートメントは、毛髪内部にグリオキシル酸やレブリン酸などを浸透させて架橋結合を作り、一時的にハリやコシを出す補強施術に過ぎません。
つまり、生まれつきのくせ毛や強い波状毛の形状そのものを真っ直ぐにする力は、髪質改善トリートメントにはありません。クセのうねりをしっかり伸ばしたい人が髪質改善を繰り返しても根本解決にはならず、酸の蓄積によってかえって毛髪が硬化・パサつく事例も報告されています。「クセを伸ばすのは縮毛矯正のリタッチ」「毛先の質感を整えるのはサロントリートメントや髪質改善」という正しい役割分担を認識することが不可欠です。